「メインフレーム・ディフェンダーズ」というゲームを狂ったようにプレイしていた時期がある。超簡易的なスパロボみたいなゲームなのだが、一番むずかしいモードをギリギリクリアできるぐらいの絶妙なゲームバランスに仕上がっていて、とても楽しめた。グラフィックを許容できるならおすすめのゲームだ。セールのときはめちゃ安い。
いや違う違う、そっちじゃなかった。最近、同じメーカーが新作を出したのだ。何の迷いもなくリリース直後に買い、だいたい50時間ぐらいプレイしたところ。そろそろ紹介してもいいだろう。タイトルは「Lords of Ravage / 荒廃の支配者」という。最後にちょっとした攻略情報もあります。
いろいろ書きたいことはあるが、まずはゲームの概要を説明しよう。

本作はRPGゲームである。3人の主人公がおり、それぞれのキャンペーンを順番にクリアしていくという流れ。最初は鎧の人しか使えない。1マップで1ステージ。全4ステージある。ストーリーがタイムループ的な設定になっていて、同じマップを3人の主人公が巡ることになる。つまり3周する。正直ボリュームは少ない。そのかわり価格は安い。さっきの50時間という数字は普通じゃないので忘れてください。

マップ上のポイントを踏むとイベントが発生する。イベントは「各種リソースが得られる」「ユニットが加入する」「戦闘」などいくつか種類がある。

戦闘が起こるポイント以外は、選択肢が出ていずれかを選ばされる。マップは最初マスクされていて、ポイントを踏んだところから少しずつ開けていく。

戦闘はパーティー制のコマンドバトル。普通のRPGと同じと思っていいと思う。

誰か死んだときは、予備のユニットがいれば次のターンで補充できる。それ以外でも一定のタイミングで1人ずつ補充することが可能。

任意のタイミングでパーティーを撤退させ、主人公が単独で戦うことができるのが本作の特徴。この機能を使ったあとは、その戦闘が終了するまで主人公1人で戦う。主人公が死んだらゲームオーバー。
遺物戦闘中に様々な効果をもたらす、遺物、勅令というアイテムがある。どちらもイベントでアップグレードできる。

勅令は「禁断の知識」というリソースを消費してアップグレードすることもできる。「禁断の知識」はユニットのスキルをアップグレードするのにも使う。

ユニットは、主人公に対応する3系統の種別がある。プレイ中の主人公に対応するユニットが加入しやすいが、ほかの系統のユニットが加入しないわけではない。

ユニットはイベントで加入するほかに、お金を消費して雇うこともできる。上の画像でいうと、サイコロの下にある緑色の雇用ボタンを押せば、プレイ中の主人公の系統以外のユニットを加入させられる。どのユニットになるかはランダム。
「ダークアライアンス」と呼ばれる、いわゆるギルドから雇うこともできる。ただし、雇えるのはギルドに登録されているユニットのみ。ギルドへの登録は、たまにイベントで選択肢が出ることがある。
本作はアンロック要素を含む。遺物、勅令、味方ユニットの3種。ゲーム内ポイントを使って解放できる。このポイントはアンロック要素を開放する以外には使われず、特定のイベントで少し得られるほか、ゲームをクリアするとちょっと多めに得られる。
説明はこれぐらいにしとこう。
すまない。ここまで読ませておいて大変申し訳ないのだが、本作はちょっとおすすめできるゲームではないのだ。というか、価格が安いという免罪符を打ち消すほど悪い。ゲームの基礎の部分は前作の「メインフレーム・ディフェンダーズ」と同じだと思うのだが、RPGになったことで様々な部分が裏目に出てしまっている。
しかしこれは前作を知っているからこその感想である。ここは前作を知らない人の目線から見なければなるまい。
初見のゲームならば、まずは説明を読むはず。ということで説明を引用しながら話を進めていくことにする。※ここからしばらく文句が続きます。

ユニットを自由に組み合わせて部隊を作れるようなことが書いてあるだろう。ところが驚くべきことに、実際にはできないのだ。ユニットを得る/ギルドに登録する選択肢が出たとき、プレイヤーはその選択を決定するだけ。どのユニットが得られるかは選択肢が出るまで分からない。さらに驚くのが、部隊編成のような仕組みもないのである。戦闘に出撃するユニットは、毎回ランダムな候補の中から選ぶ。ユニットを追放することもできないので戦闘で死んでもらうしかない。
これでは話が全く違う。
プレイヤーが操作するのは、部隊画面だとスキルや勅令のアップグレード。マップ上では行き先の選択、表示された選択肢を選ぶ、それぐらい。あとは戦闘。前作と比べたらアップグレードの対象が増えたとは思うが、プレイヤーが介入する余地がほとんどなくなってしまった。

そしてゲームのイメージもなんか違う。本作は悪をテーマにしていて、Steamでは「悪役主人公」のタグも付けられている。説明では敵側が「ヒーロー」という言葉で表現されたりもしている。でもプレイしていると、こいつらホントに悪者か?という気がしてくるのだ。例えば歴史上の人物で英雄とされている人でも、現代の法律に照らすと犯罪者だったりするだろう。そういう感じ。敵側も正義って感じじゃない。
あとこれは翻訳のせいもあるかもしれないが、「ラスボス」というのもなんか違う感じがした。団体戦の最後に出てくる「大将」のほうが近い。そう考えてみたら大将はラスボスともいえるな。ラーメン屋のラスボス。いや無理か。
このように、ゲームの前宣伝と実際の内容がかなり異なっている。おすすめできない理由としては十分だろう。
いやまだ終わらせるわけにはいかない。ほかに個人的に一番よくないと思ったのはゲームバランス。アンロック要素を開放すればするほどゲームバランスが悪くなっていくのだ。全て解放すると、もはや難易度「ノーマル」でもクリアするのが困難になるほど。例えば勅令。
勅令は使いどころが限られていたり、ネガティブな効果を併せ持っていたりしていて、実用的な勅令は少ない。だからアンロックすればするほど不要な勅令を引く確率が高くなる。しかも勅令を破棄するという仕組みがなく、いらん勅令が戦闘中に枠を占有するのがすごいストレスになる。
あとわかりやすく批判が集中しそうなのが、やっぱり翻訳だろうな。個人的にはインディメーカーなので仕方がないと思っているけれど。前作もこんな感じだったし。なんていうか、元の言語を外国語に翻訳した文章を日本語に翻訳したみたいな。独特の文章なのよね。
ストーリーを理解できないことはまだいい(よくないけど)として、ゲーム内のスキルの説明とかで用語が統一されていないから、本当にマジで混乱すると思う。ある程度RPGをプレイしたことがあり、なおかつ真剣に理解しようとしないと無理なやつ。だってこの手のゲームは攻略とか探してもないからね。自分で解決するしかない。

そういえば、ストーリーが分岐することも確認できなかった。試しに難易度「とても難しい」で、マップ上の全イベントポイントを踏んでクリア(なんか悪っぽいから)してみたりもしたのだが、普通にクリアしたときと何も変わってなかったと思う。全部の主人公で特定の選択肢を選ぶ/選ばないでクリア、とかなんだろうか。そんなにハードル上げてやりこむ人いるのか……。50時間でもトップクラスだと思うけど。
ということで、文句はこれぐらいにして、以下はプレイ中の雑なメモ。ほとんど検証していないので間違ってるかもしれません。まじめに攻略しようかとも思ったが、あまりにゲームバランスが悪いのでアホらしくなってやめた。
用語
翻訳が変な部分の補足。
「各」は全体に効果があることを意味する。
「味方」は部下とリーダーを指していると思われるが、リーダーを含んでいないこともある気がする。
「フォロワー」「追随者」は部下を指す。
「パワー」「力」は攻撃力のこと。
「体力」は文字通り体力(HP)を指す。体力ゲージの緑色の部分。
「装甲」「鎧」「アーマー」はどれも同じ意味で使われており、要するにバリアのこと。体力ゲージの黄色の部分。ダメージを受けたときは体力より先に装甲が減る。装甲は戦闘が終了したとき失われる。
「真の」ダメージは装甲を無視することだと思われる。
「チャージ」は使用できる数のこと。なくなったら使えない。
「クールダウン」は、次に使えるようになるまで待たされるターン数のこと。
戦闘関連
本作は通常攻撃が弱い。敵は防御力を上げるスキルをよく使ってくるし、敵部隊の増援ユニットは1ターン「強化された」状態になるという仕様があるため。実質的にダメージを与えにくいのだ。前作ではクリティカル率を上げることでカバーできたが、本作にはクリティカルダメージそのものがない。
対して、状態異常は強すぎる。状態異常を回復する手段は少ないため、敵に連発されるとゴリゴリ体力を減らされていく。こちらが状態異常を使っても強いが、意外と使えるユニットは少なく、スタックを積み重ねることが難しい。状態異常を主力で使うなら、基本的に何かのアビリティを組み合わせる必要がある。
本作は体力を回復する手段も少ない。そして回復量も少ない。ユニットを犠牲にしながら進めるにしても、ユニットはいくらでも追加できるわけではない。となると、決定的なスキル、もしくは堅牢なスキルが必要になる。しかしベロルドとザヴリスおよびその部下たちは、そのようなスキルを持っていない。そのため難易度「ノーマル」でもクリアが難しい。それより上の難易度では不可能と判断した。
一方、アズネヤだけは事情が異なる。アズネヤは死んでもゲームオーバーにならないのだ。部隊も含めて全滅しない限りゲームオーバーにはならない。また、アズネヤは部下と共に戦うことができ、自分以外の全員に装甲を追加するスキルを持っている。さらにアズネヤの部下は非常に能力が高い。無敵の軍団である。難易度「とても難しい」の脅威度100オーバーのラスボスも難なく倒せる。
ベロルド
3人の中で唯一、状態異常を回復するスキルを持っている。とはいえ、このスキルにはクールダウンがあるため、状態異常を連発されるとやっぱり弱い。
ベロルドのユニットは状態異常を使えるものが少ない。通常攻撃が主体になるためダメージ効率が悪く、茨やカウンターを使う敵にも苦戦しやすい。比較的使いやすいユニットはドレッドナイト。自分に装甲を追加することができ、状態異常「出血」も使える。死んだときはほかのユニット全員に装甲を追加する。
ザヴリス
ザヴリスのメイン攻撃スキルは、チャージタイプの「皮を剥ぐ」、クールダウンタイプの「激しい突進」。「恐ろしい傷」を与えつつ自分に装甲を追加する「血の盾」もクールダウンタイプ。戦闘が長引くと、敵全体に腐敗を与える「暗い前兆」ぐらいしかできなくなるので、クールダウンを減らすアビリティが欲しいところ。エスカレーションのフェーズ3でクールダウンが2減る。
ザヴリスのユニットはバランス型。あんまり目立ったユニットがいない。EP数によってダメージ量が変わるスキルを持つ「苦痛の者」がいるが、結局このスキルも通常攻撃なので防御力の影響を受けるし、茨やカウンターのダメージを受ける。
アズネヤ
ほかの2人と比べて能力がかなり低いので、リーダーの能力に依存するアビリティとは相性が悪い。強力な攻撃スキルも持っておらず、単独だと一般的な敵ユニット1体を倒すのでさえ難しい。そのかわり部下を召喚して戦うことができる。余談になるが、アズネヤに召喚されたユニットはスキルのクールダウンが減るバグがあるっぽい。
アズネヤは体力が0になってもゲームオーバーにならない。体力が0になると戦闘から離脱し、部下だけで戦うことになる。このあとはアズネヤが及ぼしている影響が全て無効になり、勅命も使用できなくなる。このような仕様からか、体力が負の値になっても下がり続ける。どういうわけか体力が0以下でも次の戦闘では通常通り戦えるが、ダメージを受けたら再び離脱する。
アズネヤのユニットは有用なものが多い。「鉄壁の戦士」と「深淵の魔術師」は特に強力。
「鉄壁の戦士」は体力が多く攻撃力もありシンプルに強い。攻撃スキルは、ダメージを与えた分だけ自分に装甲を追加するため攻守に優れている。敵単体の防御力を下げるスキルも持っていて、自分が得る装甲を増やすと同時に、通常攻撃のダメージ効率の低さをカバーできる。さらにカウンターも持っており、さらにさらに、ダメージを受けた分だけリーダーに装甲を追加するパッシブスキルも持っている。普通は複数のユニットで分担することを1人でやってしまう。

「深淵の魔術師」はもはや反則。戦闘に加入または離脱したとき発動するパッシブスキルを持っていて、その効果はいずれかの敵ユニットに「恐ろしい傷」を10スタック与えるというもの。例えば1体の「深淵の魔術師」を戦闘に加入させてすぐアズネヤと交代し再び戻すと、それだけで入・出・入になり計30スタック。攻撃スキルさえいらない。「深淵の魔術師」はレギュラーユニットのため出撃できる数も多い。「恐ろしい傷」は個別にスタックするので2体だったら倍である。状態異常を複数回作動させるアビリティと組み合わせると、ものすごいダメージを叩きだす。
なぜアズネヤだけがこんなに優遇されているのだろうか。
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